ロストバゲージ! ニューヨークに消えたスーツケースを追え! – ① –

海外へ飛ぼうとしているみなさん。

大きな荷物を持って空港まで行くのは大変ですが、飛行機に乗って海の向こうに飛ぶワクワク感はやっぱりたまりません。

旅行でも仕事でも、何日もの日程となるとやはり荷物が大きくなります。

飛行機に搭乗する際、仕事で私が使っているのはリモワのルフトハンザバージョン。

修理などの対応にも満足していて、長年愛用しています。

( ▶︎ 別記事 『リモワ スーツケース修理は神対応でした。』

今回は海外で経験したロストバゲージの事を書きます。

愛用のリモワは結局どうなったのでしょうか。

デトロイト到着。荷物が出て来ない!

その時もリモワを持って中部国際空港から飛び立ちました。

お客様との打ち合わせで向かう先はアメリカのデトロイト。

名古屋からは直行便が出て便利です。

9時間ほどのフライトで、デトロイトに降り立った時は、時差ボケもなく頭もスッキリとしていました。

いつものように入国審査の列に並ぶと少し混んでいます。

機内では後ろの方のシートでしたので、外へ出るのも遅かったから仕方ない。

でも行列は入国審査官に向かってではなく、見慣れない機械につながっていました。

(ああ、とうとうESTAのチェックが機械で自動になったんだ…)

アメリカ入国時に必要な電子査証ビザ「ESTA」については苦い経験をしました。

(▶︎別記事 ESTA 出国直前、期限切れのピンチを切り抜けた話。』

そのESTAのアメリカ入国時の確認作業も機械化され、慣れない操作に苦労している人で行列が出来ていたのです。

ようやく入国手続きが終わって、荷物ピックアップ場へ。

名古屋からの便に積んだ荷物が出て来るカルーセルに向かう。

荷物はもう数える程しか残っていません。

簡単に見つかるかと思った僕のリモワ。

だがいつまで待っても来ない。

あれ?

待てども待てども…

不安になって、近くに立っていた制服姿の人に聞くと、隣のカルーセルも見てみろ、と言う。

何でも、そちらは今日、この場所でピックアップされずにカルーセルの上に残されてしまったままの荷物だという。

見ると、スーツケースや段ボール、バッグなどがいっぱい乗っているではないですか!

20個はあったと思います。

(こんなに引き取り忘れが多いの?これ、この空港でフツーの事?)

不安になりながらその荷物をよく探してみる。

すると、僕のリモワそっくりのでももう一つ大きいサイズのスーツケースがある。

(ま、まさか… 間違えて? )

確かにリモワですが、僕のはルフトハンザバージョンで、ロゴが入っている。

そのバッグは色が同じだけでノーマル仕様のリモワだった。

荷物のタグを見ると… 同じ名古屋からの便!

そして、行き先は… デトロイトから、最終目的地は… ニューヨーク ??

「それでも入国してください」

もう間違いない。

ニューヨークまでのチケットを持った別の人が僕の荷物を間違ってピックアップ、トランジットですでにここをしまったのだ。

おいおい、冗談じゃない。

僕のリモワの中には一週間分の着替えも、現地の同僚へのお土産も入っている。

いや、明日の仕事の打ち合わせのための大事な書類も!

空港の担当者を捕まえると、搭乗した航空会社のカウンターに行ってくれ、という。

この時点でロストバゲージは確実。

もちろん、僕に責任はない。

では、航空会社の責任なのか、デトロイト空港の管理責任なのか。

まだそれは分からない。

それでも、ロストバゲージの窓口となるのは、あくまでも航空会社だという。

今回のフライトは、デルタ航空だ。

慌てて航空会社カウンターに行く前に、間違えて置いてかれた別人のスーツケースを持っていき空港職員に説明した。

そしてしばらくしてデルタ航空の職員を連れて来てくれた。

「僕のスーツケースが無くて、これが残されていた。 間違ってピックアップされた可能性が高い」と。

写真を撮りたかったのですが、空港の入国審査・荷物検査場はどの国でも治安上の理由で撮影厳禁。

このような時は、間違って 荷物を持っていってしまった人が特定出来る、手がかりとなる情報があれば、確実にそれを伝える事です。

言葉の問題もありますが、この情報伝達があるとないでは荷物発見の可能性が大きく変わるからです。

結果、僕の話を理解したデルタ航空の人は無線で別の社員に連絡を取ってくれて、すぐ調べるという。

「クレームの受け付けのため、一旦アメリカに入国して、そこにあるデルタ航空の受付カウンターに行ってください。私が出来るのはここまでです。ここはまだアメリカ国内ではないので」

結局、ロストバゲージが荷物受け取り場でわかっても、一度入国しないと何もできないのです。

ほぼ手ぶら、機内に持ち込んだ最低限の荷物だけを片手に持って入国するときの不安といったら…

消えたスーツケースの行方

入国し、デルタ航空会のカウンターに向かいました。

驚いた事に、そこには長蛇の列が。

カウンターで対応する担当者はわずか2人。

新たに航空券を買う人、乗り換えに遅れた人、ルート変更を希望する人、機内での忘れ物を聞きにきている人…

1時間は待ったと思います。

ようやくカウンターにたどり着き、説明をすると、帰って来た返事がコレ。

「クレーム対処のため、レファレンス番号を渡します。

後はここに書いてあるデルタのコールセンターか、このデスクに電話を適時電話をして、荷物が出てきたかどうか、そちらで確認して欲しい。

ネットでこのサイトにアクセスして、クレームの内容を記入してください。

携帯からでも入れます」

へ?自分でやるのですか?

カウンターで全て対処してくれるんじゃ、ないのですか。

自分でサイトにアクセスして、自分で内容を記入して? 自分で電話して確認してって…

預けた荷物の責任は航空会社にあるのに、こんなに冷たい対応なのですか?

納得がいかない。

『あの、荷物の状況とか、連絡はもらえないんですか? 』

「こちらから定期的に連絡はしません。ですがもし荷物が見つかれば、サイトに記入いただいた滞在先に連絡をいれます」

違うでしょ! 今夜の着替えすらないのに、どうすればいいのか、とかみつく。

すると、小さなトラベルキットを手渡しされました。

中を開けるとハミガキ用のブラシ、チューブ、小さな顔ふきタオル、アイマスク が一泊分入っていました。

食い下がって、肝心の僕のリモワの行方も聞く。

すると、名古屋から搭乗した別の人がやはり間違ってピックアップして、トランジット(乗換)ゲートを通過したまでは明らかなようだ。

でも、その先の行方はまだ分からない。今から飛行機を止める事も時間的に無理らしい。

代わりに残されたスーツケースの持ち主が予定通りニューヨークに向かうのなら、到着は今夜。仮に見つかっても、すぐにデトロイトに戻ってくるわけがない。

覚悟を決めた。

生活に必要なものは全部買おう。そして正しく航空会社へ請求しよう。

とにもかくにも、予約したホテルに行く前に、必要な物を買わないといけない。

気持ちを落ち着けて、今後の事と、航空会社との交渉をどうするか、考え始めました…

▶︎続きはこちら 『ロストバゲージ!ニューヨークに消えたスーツケースを追え! -②- 』