空港での自動発券機。

いつものようにパスポートと搭乗予約番号のコード画面を自動発券機にスキャンさせる。

国際線なので搭乗時間の2時間前チェックインが原則。

でも、この日は朝からバタバタしていて、空港到着が遅れてしまい、フライトまで1時間しかない。

まぁ、でも午後のフライトなので荷物検査もそう混んでないだろうし。 見た感じ、航空会社カウンターあたりも人がまばらだ。

大丈夫だろう。

(と甘く考えていました)

… おや、やけに遅いな。搭乗券、まだ機械から出てこないな…

『すいません、お客様。』

「はい?」

『あのー、申しあげにくい事ですが…』

「この機械、なんかおかしいですよ。やたら時間かかっててね。

え? もちろんパスポートもチケットもありますよ。ちゃんとスキャンして最後の画面まで来たんだから。

時間ないから早くお願い出来ない…」

『いえ、お客様。お客様のESTAの期限が切れているようでして発券システムが受け付けないのです…』

は、はい?

何ですと?

期限…切れ?

マジですかぁ !!

時間は迫る、気は焦る

ESTAの期限は2年。仕事で頻繁にアメリカに出かけるため、頭から期限なんてすっかりヌケてしまっていたっ!

ヒェェ!

「えーと、どうしたらいいんですか! フライトまでもう1時間切ってるんですよ (汗)」

『いまからESTAのサイトにアクセスしていただいて、申請を通すしかありません』

「い、今からって… そんな早く返事なんて返ってくるもんなのですかね? これ、アメリカ政府の、国の正式書類なのでしょ?」

ESTA。Electronic System for Travel Authorization の略です。

アメリカ合衆国に入国するためには必ず取らなければいけないものです。

ESTAはビザではありません。

出入国申請書の事前登録。

米国の公式ウェブサイトへアクセスして日本のパスポート番号や住所・氏名などの必要事項を記入、クレジットカードで支払いまで行ってボタンをポチッと押すと申請が完了します。

追って、ESTA登録がなされた旨の確認のため、ある時間をおいてから再度サイトを見る必要があります。

つまり、申請は一旦、海を越えてアメリカ送信されており、アメリカ合衆国国土安全保障省という管轄官庁から審査・確認の上で登録がなされるのです。

ですから、審査の時間を見込んで搭乗の72時間前までに原則申請をするように、と公式ウェブサイトには書いてあります。

『お客様は頻繁にアメリカへ入国されてますよね。恐らく申請はすぐ処理されると思いますので、何とか頑張っていただければ…』

「こ、ここでやるんですか? 一旦チェックインして、搭乗口でとかは…」

出来かねます

ガーン!

何て事や、これはどえらい大変なことになってしまったがやぁ。ちゃっとやってまわんと、飛行機に乗れんが。あかんがや、それは!

とにかくサイトにアクセス、『ポチッと』しないと。

なかなかつながらない米国のサイト。

「あー、何でやね! 何でこうも遅いのや!」

仕方がない、別のサイトから入るか。

公式サイトから申請すべし

ESTAの申請には1つだけ注意点があります。

それは、『必ず米国の正式サイト』からアクセスする事。

グーグルやヤフーで『ESTA』を検索すると、「ここから申請」というサイトがたくさん表示されます。

ほとんどが、申請『代行』のサイトです。

公式サイトでのESTA取得は14米ドル(2019年1月現在)。

ところが、代行サイトから入ると一気に料金が50米ドルにはねあがります!

これらのサイトには、小さな文字で、

  • 代行サービスである
  • 合衆国税関・国境警備局公式サイト(米国CBP公式サイト)ではない
  • CBPの公式サイトからの申請も可能

そう、確かに書いてあるのです… 気がつかないほど小さな文字で。

おまけにそれっぽい

「ESTA申請センター・アジア」

「ESTAオンラインサービス」

などと名前がサイトについているのです。

『仕事ですから』

時間がなく、焦っていた僕はうっかり別サイトから入ってしまい、危うく支払いまで進みかけました。

『お客様、宜しければあちらの端末をお使いください』

ん? カウンター内の? 使ってイイんですか?

セキュリティとかあるんでしょ?

『こちらの紙に必要事項を手書きしていただければ、わたくしどもで画面操作していきます。

お客様も携帯でアクセスを続けていただいて、早く処理された方でESTA申請すればよろしいかと』

みると、ESTA申請の公式ウェブサイトから画面をスクショして印刷して、手に持ってきてくれている! なるほど!

僕がカウンターの中に入らずともオペレーターの方が僕の情報を入力していけば、申請が進められるわけだ…

お、お姉さん、それ、嬉しいです。

何て素晴らしいっ!

ブラボー! ワンダフル! アイラブユー!

いや、最後のはいけません。

こうしてなんとか無事にESTA申請をすすめることが出来ました。

何と、5分もたたずに申請は通った事が確認出来ました。

ほっ。一安心。

だが、気がつくとフライト時間はもうすぐだ。

『こちらへおいでください。今なら何とか間に合います、さぁ、早く』

搭乗時間まであと15分…

カウンターのお姉さん、走る、走る!

無線機片手に叫んでいる。

僕が最短で搭乗機に行けるように、空港の関係者たちへ現状を逐次伝えているようだ。

ま、間に合うのか??

僕は航空会社のお姉さんの後ろから、キャリーバッグを必死に引きながら追いかける。

特別扱いで検査ゲートを通過、そしてフライト数分前に何とか搭乗口へとたどり着いたのでした。

『あ、ありがとうございます。おかげ様で…』

『よかったですね、お客様。

お礼はいりませんよ。仕事ですから

ジーン。

か、カッコイイ、かっこよるぎるよ!

あの映画『シン・ゴジラ』の名セリフをここで聴けるなんて。

それは余談ですが、素晴らしい対応にジーンと感動してしまった僕。

『何で全てお客にやらせるんだ、発券とか荷物チェックインとか… 年々サービスが悪くなるじゃないか』などと、ネガティブな印象がどうしても先に来てしまう昨今の空港チェックインカウンター。

いやいやどうして。

やるじゃあないですか。

最後に頼れるのは。

ようやくたどり着いた機内。慌ただしく席に着き、シートベルトを付けていると、今度はフライトアテンダントが…。

『間に合ってよかったですね、お客様。

走ってお疲れですね… よろしければお水をどうぞ』

涙もんの優しさだよ!

もう安心なんだな。無事飛べる。

差し出されたコップの水をぐいと飲み干し、お礼を言ってから、眼を閉じて思った。

最後に頼れるのは、やっぱり人なんだなぁ。

▶︎ESTAの申請にどれぐらいの時間がかかるのかは、あくまで目安です。出国の1週間前までに取る事をお勧めします。

★(追記 2019.4.27)

申請から認識まで72時間が必要となりました。頻発する世界的テロなどで審査に時間がかかるようになっているとの見方です。公式サイトにも「72時間が最大必要」との記載が追加されました。私の経験したように搭乗直前で発行される事はまず無くなると思われますので、必ず早めの確認をされることをおすすめします。

▶︎私のケースのように10分足らずで申請が下りる場合もあるようですが、全ての場合にこうなるとは限りません。

▶︎航空会社の対応も同様です。

皆さん、安心して出国するためにも、ESTAは早めに取得しましょう!