座りっぱなしの生活の危険

今日のテレビで『座りっぱなしの生活の危険』を特集していた。

3年前、心臓バイパス手術の直前に書いた記事を見直してみた。

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とうとう心臓のバイパス手術まであと数日になった。8/31に転院し、名古屋では最も信頼の置ける心臓外科手術の病院へ。心肺停止で倒れてから実に38日目。入院中の毎日、規則正しい時間に寝起き・食事。朝・昼・晩の食事後は下半身の衰えを防ぐために院内の廊下を15周歩き、病室内では極力立って過ごしました。

心臓に大きな負荷をかけず、それでも立っての生活を1ヶ月以上も継続してきたのには理由がある…

そしてそれは、誰もが知っておいてもいい背景がある。いや、自分のような大変な目に合う人を1人でも減らすために、是非書いておきたい。

●座りっぱなしの生活の危険

現代は人がこの世にあらわれてから、最も座っている時間が長いといっても過言では無い生活スタイルとなっていますが、1日に6時間座る生活を続けていると、たとえ日常的に運動をしていたとしても1日に3時間しか座らない生活の人に比べて15年以内に死ぬ確率がなんと、40%も増えるとのこと。研究によると、このリスクを回避する方法はただ一つしかなく、それは「座る時間を減らす」ことだそうです。

デスクワークが中心の仕事をしている人は立ち仕事が中心の人に比べて心臓病になる確率が2倍に上がります。

なお、「長時間座り続けなければ良い」というものでもなく、「座ること」そのものがもたらす害は、実は座った瞬間から始まっています。座った瞬間から足の筋肉からの電気信号が止まってしまい、代謝によるカロリー燃焼率も毎分1kcalほどまで下がってしまいます。座ってから2時間が経過すると善玉コレステロールは20%も減ります。

「毎日ジムに行って鍛えているから大丈夫」「週2回泳いでいるから」「家で筋トレしてる…」いえいえ、ダメなんです。たとえ運動習慣がある人でも、長時間座っている行為そのものが、その効果を消してしまうことになるそうです。

なぜ、座りっぱなしは体に悪いのでしょう?

理由は 

「血管の内膜が動脈に対し、血流量に応じて正しく弛緩するシグナルが送れなくなる」という血管内皮機能障害になるから。

心臓が鼓動する度に血流が絶え間なく流れる状態が途絶えると、動脈が機能不全疾患になる、という単純な理由です。

つまり、筋肉が衰えるのと同じで、¨ 使わなければ衰える ¨ という事。

こんな事、あまり気にもしなかった。毎週末のように山に出かけ、勝手に「運動してるから大丈夫」と根拠のない思い込みがあった。

間違っていた。

だから突然、心配停止になって生死の境を彷徨うような状況になってしまった。

座りっぱなしの仕事の生活がたしかに何年も続いた。外に出れば出たで、海外出張や長時間の運転など、座る時間が多い事にはかわりなかった。

今は違う。

一度拾った命。 大事に、大事にしたい。

山に行っても結構ムチャしていた。単独でルートも怪しいバリエーションルートに突っ込んで危ない目にも何度もあった。

今は違う。

いつ山に戻れるか、まだ分からない。

まずは無事に手術を乗り切る事。

そして、しっかりと山に復帰出来るよう、心臓をリハビリしよう。
弱った心臓を今後補うのは、強い下半身だ。

極力立った姿勢を日中も維持しよう。スクワットなどで足腰を鍛え、血流を心臓に戻す大事な、大事なポンプ機能のある「ふくらはぎ」をもっと、もっと鍛えよう。

もう一度、高い場所に行きたい! もう一度、山を楽しみたい !

それが今の僕の日々の生きるモチベーションになっている。

(写真: 病院ロビーに飾ってあった「槍ヶ岳朝陽」日本山岳画協会 武井清氏 / 8月1日に転院。実に38日ぶりの外の世界 / 毎日病院の窓から見ていた鈴鹿の山並)