BMW本社 トム・クルーズと張り合うために行ってみた。

ビールの町、ドイツ南部バイエルン州のミュンヘン。

そのミュンヘン市内から約4.8km 離れたオリンピアパークは1972年に夏季オリンピック大会が開かれた場所。

そう、体操の塚原選手がムーンサルトを武器にメダルを総ナメ大にして嵐を巻き起こしたあの大会です。

オリンピアパークの隣に本社を置くのが、誰もが知る高級車の代名詞であるドイツの自動車メーカー、BMWです。

トウモロコシかパーマ用のカーラーかと思う奇抜なデザインのビルが、BMWの本社ビル。遠くからでも一目でわかります。

本社ビルに併設されているのは有料の博物館(BMW Museum 本社ビル前の円筒形の建物)と新車展示場(BMW World 写真左)。後者は入場無料です。

午後には会議の行われるライプツィヒへ到着していなければいけない長丁場の1日(アウトバーンで約430キロ)でしたのでそれほど時間も無く、市内のホテルから簡単に立ち寄れる新車展示場へ立ち寄る事に。

憧れの車が次々に

展示ブースには多くの人が詰め掛けていました。中には数多くのBMW カーが。これはBMW による究極のカスタムメイドのプログラム、「インディビデュアル」のモデルカー。

簡単に言えば、内装やボディカラーなどの意匠に関しては、単にカタログから選ぶのでは無く、光沢や質感、より細かな色合いまで、ユーザーの声を反映させて世界で1つしかないオリジナルのBMW が手に入るという訳です。これは人気の3シリーズのセダン。

BMWの車は「1シリーズ」から「8シリーズ」まであり、数字が大きくなるほど排気量や車体がアップしていき、クーペが多くなる基本構成になっています。

今や日本車のラインナップにはない独特の直列6気筒エンジンがまだまだ健在のBMW 。年間50万台を切る生産台数である理由の1つはその希少かつ高級ブランドのステイタスを維持するためです。

一度は持ってみたい、車の1つです。

次は…

おおーっ ! ロールスロイス ファントム だっ! 何でBMWの本社に ?

自動車メーカーとしてのロールスロイス社(ロールスロイス・ベントレー)は今やドイツのフォルクスワーゲン傘下。けれどもロールスロイスのブランド商標権はベントレーとは別にBMWが取得した、ややこしい経緯が有ります。このファントムは2003年よりBMW傘下の新しい自動車メーカー「ロールスロイス・モーターカーズ」から出たV型12気筒のモデルV II。

ベントレーが引き継いだ筈のロールスロイスの栄光の歴史が、20年そこそこの新メーカーに見る事が出来る不思議さ。でもロールスロイスの存在感は見事に体現されています。

ギリシャのパルテノン神殿をイメージした大きなフロントグリルに輝くエンブレム。か、カッコ良すぎ !価格も5,000万円は下らない超高級車。徹底した静粛さの追求で、乗っていても移動している事に気がつかない程らしい。一度でいいからハンドルを握ってみたい車。ロールスロイス、半端無いって !

トム・クルーズに負けるわけにゃ、いかん!

BMWと言えば、車も有名なのだけれどもやはりバイク、しかも水平対向エンジンのイメージが強い。

こちらは4ストのBMW S 1000RR、何と200馬力 ! トム・クルーズ演じる秘密組織IMFのエージェント、イーサン・ハントが映画の中で険しいアトラス山脈の山岳ワインディングロードをヘルメットもかぶらず敵の追撃を猛スピードでかわすハイライトシーン。

手に汗握る物凄いアクションですが、これはトム自身によるノースタントだというから驚き。甘いマスクだけが売りではない、身体を張ったアクションで目を見張る身体能力の高さを見せるトム・クルーズは実はケニーよりも年上!

うーん、負けてはいられないなぁ、トムに。

では、負けじとワインディングをとばしてみましょうか!イーサン・ハントならぬケニー・ミウラ(ミッチャン)が疾走する手に汗握るハードアクション大作映画(?)「ミッチャン・インポシブル」でなら活躍出来そうなのですが…

いやいや、思った以上に取り回しはヘビーです。

高速走行時に風の抵抗を受けないよう身を屈めると余計にフリクションを感じます。

こんなオバケのようなバイクを地面スレスレに傾けて疾走するトムのテクニックと度胸にはホント、驚かされます。

どんだけ運動神経いいんだっ。

オーナーになってみたい1番のメーカー

そしてもう1台。極め付けのハイクラス・スポーツカー i8。 初めて本物を見ました。

直列3気筒ガソリンエンジンと電気モーターのコンボでトルク最大値320Nm。

ハイブリッドスポーツカーというセグメントを切り開いたエポックメイキングな1台。中古でも1,500万円はくだらないんじゃないかな?

ああ、死ぬまでに一度はオーナーになってみたい。この展示場を訪れた人はほぼ皆がそう感じるのではないでしょうか。

夢見心地で外に出ると、眼前に高くミュンヘンのテレビ塔が立っていました。空が青いっ。

ちょっとだけ散歩。オリンピアパークの中にある小高い丘に登って見ます。

BMW本社ビルの姿が。その右奥、遠くに見えるスタジアムはブンデスリーガの試合が行われるアリエンツ・アリーナ。

ドイツで行われた2006年に行われた第18回ワールドカップの会場で、覚えている人も多いでしょう。

短い時間ながら、車もバイクも楽しめたBMW本社。

この後はアウトバーンを飛ばしに飛ばしてライプツィヒへと向かったのでした。

もちろん、トムのようにかっ飛ばせないので、安全運転でっ (笑)。

★トム・クルーズの華麗なバイクテクニック(『ミッション・インポッシブル ローグネイション』2015年 パラマウント映画)はこちら