( ①よりの続き )
★誰かが得した分、同じだけ他人が損をする。これ、持ってない(zero)、持ってる(some)のつまり『ゼロ-サム』ゲームの世界。
半分だけのホットドッグを誰かが食べた瞬間、ひょっとしたら喧嘩が始まるかもしれない。国と国なら最悪、戦争だ。
★もし、2人だったら半分残ったホットドッグは食べさせて、ケニーも信用を落とすこともない。そう、さっき述べた〝Win-Win〟だ。 でも、世界には沢山の人がいて、何かをするのにたった2人だけなんて事の方が少ない。2人の隣には必ず他の誰かがいて全く無関係ってことはまずありえない。これまた国に例えると、今一番分かりやすい例が北朝鮮を巡る各国の思惑だろうか。アメリカと北朝鮮が和解するのは素晴らしいが、拉致問題は忘れ去られてしまわないか、心配する日本がいる。でも日本は何となくカヤの外だ。これでは全員の問題解決にはならない、残念だけど。
★で、最後の「全員がハッピー」という、そのどちらでもない解決方法。
これにも名前がある。それは、
『非ゼロ和』ゲーム
なぜか、こんなしっくり来ない難しそうな訳しかなく、馴染みの無い言葉。英語では『ゼロ-サム』ゲームと似て非なる
『ノン ゼロ-サム』(non zero -some)
と書く。かえって日本語訳にすると難しそうになってしまう。(何かいい、しっくりくる訳語があればいいんですけどね)
実は今の世の中、『ゼロ・サム』から『ノン ゼロ-サム』に変わっていくのが大きな命題。ここまで相互依存の世界になってしまったのはインターネット革命とグローバリゼーションのせいなのだけれども、例えば株市場などは未だに誰かが株で儲けると他の誰かが損をする『ゼロ・サム』の世界のまんま。全員が儲かるという間違った魔法にかかって大変な事になったのが、そう、かつての『バブル経済』。(ケニーは決してこんな悪い魔法は使えません!かけるのは、いつも、『ノン ゼロ-サム』の魔法だけです。念のため!)
お判り頂けましたか?
ね、ケニー三浦はやっぱり魔法使いでしたよ。
1つしかないホットドッグが結果的にたくさん増えたんですからねっ!
でも、この魔法を使うにはちょっとした、でもとても大事なコツがあります。
コミュニケーション、対話 です。皆と対話しなければ魔法は効かず、『ノン ゼロ-サム』にはならないのです。
魔法使いは、正しくは『言葉の魔術師』です。「言葉」で語って、みなの「言葉」を聞いて、全員が納得する答えを見つけ出したら、さらにそれを「言葉」で皆に確認をとり、合意を取り付ける。そこで初めて皆がハッピーになる。どんな言葉で語りかけ、どんな言葉で相手に返すか、時には自分の感情を抑えてぐっと我慢し、ここだという時に相手の懐に入っていく。基本は相手がどう「心地よい」と思う言葉を探せるか。同じ事を言うにもコツが要る。時には真逆に受け取られてしまうから、意外と難しい。
魔術師は、自分にも魔術をかけてそれを成功させないといけないのだ。
この記事のタイトルには『誰でも出来る』とついている。そう、誰でも自分に魔法をかけられる。簡単に。
出来ないのは『ゼロ-サム』という観念がずっと心と頭に巣食っているから。
魔法をかけるためには、そいつを追い出して、とことん皆んなで対話すればいいのだ。ここに自分が気がつけば、そして 皆が気がつけば…怖いもの無しだ。何故ならその時点ですでに皆の目的が一致しているからだ。
さてと…ひとまず目的が一致して、目の前にはホットドッグとピザの山が出来た。
幸せそうにホットドッグとピザをパクつく2人。
「ケニー、魔法なんて言ってずる〜い」
ま、魔法ですよ、やっぱり。現にホットドッグが増えたんだからっ! (汗)
「また、どっかから仕入れたんでしょ、このやり方…違う?』
「映画とか、なんか…そうじゃないの?」
う…。 ず、図星。バレてる…
大の映画好きでもあるケニー三浦。なんせ、英語を使って仕事してるのも、子供の時に散々「スター・ウォーズ」や、「インディ・ジョーンズ」といった映画を何度も何度も観て、セリフを覚えてしまった事がきっかけ。そう、私の英語の師匠は学校の先生ではなく、スター・ウォーズのマスター・ヨーダ。だからヨーダのように、このように皆がハッピーになる魔法を使えるのだ、えっへん!
「それ、魔法じゃなくて、フォースでしょ、ケニー?」
あ、いや、それはともかく、この『ノン ゼロ-サム』もケニーが映画を見て仕入れたものには違いない。
それは…
★③に続く