奉納芸能の当日の朝。島は早くからざわざわと祭りの活気に包まれる。宿から世持御嶽まではわずか5分。起きるともう、かすかに太鼓や三線の音が遠くから聞こえてくる…

朝食を食べるのも、もどかしい程に気持ちが急きます。天気は上々、本土と違って日中はまだTシャツで十分だろう。

世持御嶽では既に大勢の人々が集まっていました。そして朝9時、祭りが始まりました。

まず、朝早くから祭りの主事宅を周ってきた「参詣」の集団がユークイ歌を歌いながら世持御嶽に戻って来る。それを御嶽前で迎える「ンカイ」(迎え)の女性達。

①ンカイ

合流した集団が御嶽へと向かいます。

広場で男女が東西に分かれ「しきどうよう」を唄い、最後は「ガーリ」です。これは沖縄本島でいう「カチャーシー」のような踊り。「イーヤ、イーヤ」との掛け声が元気でした。

そしていよいよ奉納芸能が始まります。まずは、庭の芸能。御嶽の広場での演目です。ゾーラッキ(行列)と称されているように、数十名の人々が隊列を組んでの数演目を奉納します。まずは棒。棒は種子取祭を始めるにあたっての清め、お祓い(悪霊を追い払い大地を清めることを目的)のために最初に行われるそうです。

②棒

演じる青年(ニセター」たちに歓声が飛びます。ホラ貝や銅鑼、そして太鼓の音に合わせて、一番棒から五番棒までの演技が行なわれました。

五番棒は勇ましい刀と薙刀の戦いでした。

棒の次は島の太鼓。演じるのは竹富小中学校の生徒と教職員たち。頭に鉢巻を締め、袴に下駄を履く姿は薩摩藩士そのものです。最後尾の若衆姿のリーダーの鉦鼓打ちのリズムに合わせ、小太鼓を奏でます。

③太鼓

④マミドー

マー(真)・ミードー(女)とは「よく働く女性」という意味で、真栄里家の女性がモデル。中筋部落婦人によって演じられます。先頭の女性は種子を入れた器を持って踊ります。

先頭に誘われて入ってくる女性達。

畑を耕す仕草。

⑤ジッチュ

ジッチュとは10人という意味で、この踊りは片袖を抜いて踊られます。玻座間西部落婦人による踊り。その昔琉球王に褒められた真面目な百姓夫婦と10人の子供たちが王の前で披露したと伝わる踊りです。

⑥マサカイ(真栄節・南風作田ユンタ)

自ら進んで西表島・仲間村の開拓のために移住した、真栄(マサカイ)という男の開拓精神を歌にした「真栄節」。演じるのは玻座間東部落婦人たち。

⑦祝い種子取(道歌・安里屋ユンタ・クイチャー)

竹富島の代表的な民謡の「世乞いの道歌」「安里屋ユンタ」「クイチャー」の3曲構成。今は竹富島を離れてしまった石垣竹富郷友会の婦人部による奉納芸能。種子取祭のためにだけ帰郷して演じられる。島を想う絆とはすごいものです。

⑧ウディボー(腕棒)

空手技混じりの護身術のような動きでの女性どうしの戦いの演技。

結構本気でやっていて、時には倒される人もいて、笑いの絶えない演目だった。

⑨ンーマヌシャ(馬乗者)

玻座間部落男性による演技。種子取祭では人気の高い踊りのようです。頭にマンサージ(紫頭巾)をまき、足には脚絆と草履。面白いのは腹に巻いた馬の頭! 滑稽な動きで何度も笑いが起こりました。

この演目で「庭の芸能」が終わります。これだけでも十分に堪能出来る種子取祭の奉納ですが、ここからは休憩を挟んで舞台に場所を移し「舞台芸能」が始まります。演目は何と40近いです! なので、席を確保したら、広場の屋台へ走り、お弁当を調達して待ち構えました。

種子取祭の演目の紹介は、あまりネット上にも無いようです。いよいよ祭りは舞台芸能へと移り盛り上がっていきます。

その様子はこちらで。

▶️ 種子取祭(タナドゥイ)見学記 -『竹富島で会いましょう』③