さよなら平成 – 浪漫飛行 「トランク一つだけで…」もう一度空へ

大盛りあがりだった年末の紅白歌合戦。

自分の青春時代を共に生きてきたサザンやユーミンがトリで弾けたって感じで、同世代の方々には特に感慨深かったのでは。平成という時代を改めて感じる機会でした。当時、忘れもしないのはテレビで小渕さんがフリップで新元号「平成」をお茶の間の人々に見せた瞬間。当時、携帯電話、スマホもなく、インターネットすら普及していたい時代だった。

その平成が始まって間もない頃によく聞こえた歌。今の自分の背中を大きく押してくれた歌。

それは懐かしい米米Clubのヒット曲「浪漫飛行」。1990年のリリース、という事は30年近くも前の曲。当時JALの沖縄旅行「JAL STORY 夏離宮キャンペーン」CMソングとしてテレビでも流れていた。

この曲を聴いて、心の琴線に響いた

「トランク一つだけで

浪漫飛行へ IN THE SKY

飛びまわれ この MY HEART」

のフレーズ。耳に入った瞬間、颯爽とトランクを持って空港を歩き飛行機に乗るスーツ姿の自分が頭に鮮明に浮かんだ。

当時卒業を前にした僕は、普通に周囲のゼミ仲間たちが日本の企業に就職が決まるのを横目に外資系企業を希望して、最終的には東京のとある米国系企業へ就職した。

あれから30年間。勤め先は変わったが、その時夢に描いたようにずっと世界を飛びまわって仕事を続けてきた。

「忘れないで

あのときめき

一人じゃない

もう一度、空へ ! 」

今、自分の背中を再び押してくれるようじゃあないか、この曲は。

うん、ときめきを忘れてなんかいない。

ひとりぼっちでもない。励ましてくれる人たちがいるのを、昨年、心臓を患って倒れたからこそ大きく感じた。

そして、やっぱりもう一度、空へ飛んで行きたいっ ! それが自分の裸の姿なんだろうと思う。

もう一度、あの場所へ、あの人へ、まさに「 ” 逢いたい ” と思うことがなによりも大切」。

こんなにもシンプルで純粋な気持ち一つ。

これだけで、今、がんばれる気がする。

なんだか、自分の半生をなぞらえているような曲だと思う。そして今、再びこの曲が弱気になりそうな自分の背中を押してくれていると感じる。

ちょいと、おセンチになっているかも知れない?

いいんですよ。

平成という時代が始まるタイミングで社会に出た世代には、この歌で僕と同じような世界を駆け回る将来の自分を夢見た人も多いはず。

新しくかわる、新しい元号の年。同じ時代を駆け抜けるサザンやユーミンも元気な姿を見せてくれた。

米米 Club の歌のように、僕らもまだまだ「飛びまわって」いたいじゃあないですか。