通訳案内士試験を受ける ③ 日本地理は机から離れて学ぼう

英語の通訳案内士試験1次、最後は日本地理。

旅行好きにはそれ程苦にならず勉強がはかどる科目ではないでしょうか。

名所旧跡、山に海に川、温泉や特産品に民芸品… どれも興味尽きない旅の目的。そもそも日本に来る外国人の方々も観光を楽しみに来る訳ですから、我々日本人が訪れたい場所は彼らにとっても興味あるのはしごく当然です。

しかし、それらをよく見てみると、その数の多い事。温泉一つとっても、47都道府県に名のつくものだけで源泉の数で2万、温泉施設で3,000軒以上! この小さな国によくもまあこれほどまで観光資源があるものだと、改めて驚きます。

固有名詞だけでも日本の観光資源とその特徴を覚えて行くのはなかなか大変です。正直、どれだけ国内を旅してそれらに接したかは大きくモノを言うポイント。何と言っても現地で自分が体験した場所に次にゲストを案内するのは誰もが自信を持って出来ます。

疑似体験、で覚える

では、実際に限られた試験勉強の時間で何をやるか?

地図帳や問題集をやるのもいいのですが、やはり個々の固有名詞のイメージが湧きません。

如何にしてイメージを頭の中にインプットするか。

私が考えて実際に行ったのは次の2つです。

●旅行パンフレットを大量に集めて読む

タダです。元手はかかりません。

●トラベルビデオ、過去の旅行番組をオンデマンドで見る

芸能人が旅する、アレです。人気の「ブラタモリ」が好例です。

私は毎週録画して見ています。

(NHKブックス)

つまり、「疑似体験」。現地に出かけられないのであれば、よりイメージ出来る旅を疑似的に体験しようというアプローチです。

観光資源が豊富すぎて、似たような場所がいくつもあって混乱しがちなのは温泉地や海岸の景勝地でした。私の場合は趣味が登山でしたので、山に関連した地理には絶対的に自信がありました。それでも、温泉については山あいに多くあってもかなり曖昧にしか分かっていませんでした。いつも週末山に登り、下山して汗を流そうと近くの温泉をさがしても迷うほどあるのですから…

かなり細かい情報まで問う問題が出た

実際に試験を受けて焦りました。あるジオパークに関して1つの大問が出たのですが、とても細かな歴史的背景や観光客の動向について出題されたのです。そのジオパークについて名前と特徴だけを大まかに覚えているだけでは解答が出来ない内容でした。

ジオパーク、というカテゴリー自体が近年新しく出来たシステムです。決して観光地として認知されている場所ばかりではありません。ですがユニークな地形で学術的に貴重な景観があるためにその指定を受けた場所が多く、そのような視点で興味を持つ来日ゲストも勿論いるはずです。いわゆる物見遊山的訪問者ではないツアラーが何処に行くかを常に興味を持って調べておく事も必要な事に気がつかされました。

外国人の視点で日本のどこに行きたいのか、何を楽しみたいのか、という視点で日本を見るのはなかなか難しいので、まずは「外国人が行きたい日本の名所」などのサイトを除いてみる事をお勧めします。

参考サイト

やっぱり実体験するのが一番

それでも、自分が実際に現地を訪れて実物に触れる体験が一番です。歴史や地理は、日頃からの蓄積がモノをいいます。

「好きこそものの上手なれ」

試験勉強のため、などと思わず自分が楽しむ過程で学んでいくのがやっぱり一番です。

出かける時、いつも持っていくおススメの本。ついで、にどこに立ち寄れるかな? 常にそんな欲張りでちょっと寄り道する事で、少しずつ知見が増えていきます。過程も楽しんでしまいましょう!

《実際に使用した参考書です》

★「完全制覇 国内旅行 地理 検定試験」(一ツ橋書店)

旅行業務取扱説管理者試験のための本。自然・温泉・地方行事など分野別に穴埋め問題で構成されているので、短時間での弱い分野の重点的対策に有効でした。

★「通訳案内士試験 「地理・歴史・一般常識 直前対策」植田一三 著 (語研)

英語教育のレジェンド・イッチー植田こと植田一三氏による対策書。問題例と解説付き、試験の傾向を網羅していて最後の仕上げはこれだけで十分。