読みやすく、明るくて、読後に扉を閉じた後もつい、思い出して顔がにっこりしてしまう本だった。
題名が「好きなこと」に関する事なのに、改めて自分の本当に好きな事が何だったっけ、と思い返してしまう、不思議さ。
自分が好きな事なんて、みーんなが分かっているはずなのに?
ん、いや、なんか違うぞ。
去年の忘年会。一軒終わって帰りたいのに、何で付き合って2次会行ったんだろ。
夏休み、1週間休み取って海外に出かけたかった、でもちょっと時期的に迷惑かけるよなぁ…
嫌われるのがイヤ。自分本位と思われるのがイヤ。後ろめたいのがイヤ。面倒になるのがイヤ。イヤ、イヤ、イヤ!!
あれ、好きな事してるつもりなのに、心のどこかでブレーキ引いてる自分が隅っこにいる?
何で、お前(オレ)ブレーキ握ってんのよ、そこで!?
ブレーキぶっこわせ
どこかにブレーキに手をかけた自分がいつもいて、楽しんだ「つもり」、喜んだ「つもり」、嬉しかった「つもり」になっている。
でも、「我慢」の対価は何だ?
ちっぽけな安堵感… しかも、人に「恨まれない」「妬まれない」とか、「いいふうに思われたい」。 こんな対価欲しくって、お前、ブレーキに手をかけてんの?
ブレーキなんて、手を離して、ぶっこわせっ!
行き先は?
ブレーキを壊すヒントをくれた、心屋さんのこの本。
でも、行き先はどこ?
僕は思った。
心配ない。ブレーキのない車が向かうところが、本当に自分がなりたい自分、やりたい事がある方向。
地図を見る前に、まず車を走らせてみよう。
ブレーキのない車にのる勇気。それがあれば走れる。
止まる時なんて考えずに… なんとかなるものさっ! ねぇ、心屋さん?
★『好きなこと」だけして生きていく。』
心屋仁之助 著 (PHP研究所 2014年初版発行)