行きつけのヘアサロンに行くと、あの『ハズキルーペ』がっ!
え、本物?
『もちろん、本物ですよー。ケニーさん、かけてみます?』
…おお、これはこれは。すごい。良く見えるぞ! すごいぞ、ハズキルーペ!( 謙さんになったみたいだ)
『今の世の中、書類も新聞も字が小さすぎて読めないっ(ぽいっと投げる)!』
『ハズキルーペ、だぁーいすき!♡♡♡」
毎日のように流れているハズキルーペのTVコマーシャルですね。いまやハリウッドのスター、渡辺謙がそのダンディーないでたちで舞台上でカッコよくプレゼン、ミニスカをはいたお尻でメガネを踏んだりハートマークを手で作ってウインクしたり、セクシー度満点・大サービスの菊川玲と、一度見るとそのCMパワーに圧倒され、確実に頭の中にインプットされてしまいます。
でも…なんでココに? 髪を切りに来たのに、ハズキルーペ? 詳しい案内パンフと、拡大倍率違いのお試し用が3種類も置いてあるのです。
「このルーペかけると、良く見えて朝のヘアセットが楽なんですよね」
いえいえ、違います。
「ハズキルーペあると、白髪を見つけるの、便利ですよー」
確かに白髪も見つけられるかもしれないですが、実は来たお客さんにハズキルーペの購入を直接お勧めする訳ではありません。
『混んでいる時にどうしてもお客様に待っていただかないといけないんですよ。ほとんどの皆さんはどっちかですよ…。スマホ触ってるか、置いてあるマンガや雑誌を読んでいるか』
ん、まさか、オーナー…
『そんな時、結構字が小さくて読めないって困っている人が意外と多いんですよね。置いておくとほとんどの方が試されますね。CMで名前は知っていても手に取った事ない人がほとんどですからね。お陰でリラックスして順番を待っていただけているんですよ』
なるほど…。確かに床屋や美容室には待ち時間があって、新聞・雑誌など文字を読んで時間を潰す事になる。そこにデモ品をさりげなく置いておき、実際に使って良さを実感してもらうのが狙いなのか…
実はここのヘアサロンのオーナーも最近老眼が進んで困っていました。そこでハズキルーペを取り扱っている店舗と交渉して自分用を安く買うかわりに、デモ品を無償で置くようにしたのだそうです。お客さんもヘアサロンもハズキルーペもそれぞれにハッピー。納得です。