どうやら「待ち人」とは素敵な異性の事ではないらしい。
改元の節目に足が向くのはやはり伊勢神宮。
ご存知の方も多いけれども正式名称は単に『神宮』。
御利益を期待する自分はどこかにしまっておいて、素直に神様に感謝しよう。
”自分は〇〇の△△にすむX X X Xでございます。いつも御守りいただき感謝しております”
御利益はおいといて…とはいうものの、ついつい引いてしますのが「おみくじ」。
「おみくじ」は神さまのお言葉ですから、吉凶に一喜一憂するのではなく、そこに書かれた内容こそが大事かと。
『あなたのことしの運勢は「大吉」ですね。今年はツイてますよっ。何やっても絶好調です。私がいうのだから、間違いないですよ。だって私、なんたって ” 神さま ” なんですからねっ!』
なんて書いてあればもうその場で飛び上がって三回転したいぐらいなのですが、そう上手くはいかない。
「商い 辛抱と心得よ」
ん? 今は我慢の時ということなのか? それとも何か
「待ち人 はやく来ず」
あーあ、ステキな異性とは今年は出会えないのかぁ。ガッカリ…
神さまもハッキリいうよなぁ。
ん? でも「待ち人」って誰よ?
後日、別の神社で再びひいたおみくじに書いてあったのは、真逆の言葉。
「待ち人 来る 驚く事あり」。
キター、キタキタキタ!!!
(ん…? 待ち人って、誰だ? ま、まさか〇〇〇ちゃん?
い、いや、それはないな…。じゃ、△△△??
それとも…、ええっ、あの時のXXXさんだったってか???
あ、ありえないけど、でもあったら怖いかも)
いったい誰がやってきて、どんな驚きがあるのか。
何やら胸騒ぎがして、浮足立ってしまうじゃ、ないの。
ものすごく恥ずかしい事ながら、せっかくなので、おみくじを引いた神社の方にストレート、直球ど真ん中に聞いてみた次第です。
「あ、あのう… 待ち人って、異性? 同性?」
ひゃ~、恥ずかしいこと、この上ない。
でも、一度、どうしても聞いてみたかった。
すると…意外なヒトコトが返ってきた。
『さあ…どうなんでしょうね。私にもよく分かりませんけど…』
「え、分からないんですか?」
『ええ、おみくじは仕入ているものですから、わざわざ中を破って開ける事ないんですよ。私も巫女ではありませんので』
神社の売り場窓口に座っている女性が全て神に仕える巫女さんかというとそうでもないらしい。
彼女は内緒で教えてくれましたが、いわゆるこの神社関係者の遠戚で、いわゆる…アルバイトしているとのことでした。
確かに… おみくじといえば、当たり前のように印刷された紙を折りたたんで糊付してあるものがほとんど。各神社毎にわざわざ作っているのは大変な事だろうから、どこかに依頼しているんだろう。
『おみくじを作っている会社はたしか山口県にありまして、全国のかなりのおみくじがそちらで作られているそうですから…』
そ、そうなんですか。ちょっぴり夢がしぼむような話になってしまった。
『そちらで聞いてみてはいかがですかねえ』
それ、どこですか?どうやって調べるんですか?
『たぶん、ここですよ…』
彼女が指をさしたのは古いおみくじ箱の横にかすれたように書いてあった文字。
『山口県鹿野町女子道社謹製』
女子道社? 会社の名前のようではありますが…
調べる事は出来ると思いますが、いきなり電話してそんなこと聞いてしまうのはさすがに恥ずかしいです。
聞いた結果は? 待ち受ける運勢は?
〇女子道社(山口県周南市)
色々な神社でおみくじを引いていると、なんとなく、
(あれれ…? コレって和歌の文まで同じもの、前引いたことなかったっけ?)
なんて思う時があります。というか、そもそもデザインが同じではないだろうか。
そんなおみくじはほとんど、この女子道社さんが作られているものと思って間違いない。
明治時代に女性の自立運動の先駆けとなる組織として発足した『日本敬神婦人会』。その組織機関誌『女子道』発行資金のためにおみくじの製造と販売をと、つくられたのがこの会社。地元の二所山田神社(にどころやまだじんじゃ)の宮司さんが発起人という。
その時1905年といいますから、1世紀以上も前からおみくじを造り続けていることになります。
全国でおみくじを作ってい会社は数社あれど、おみくじ一本!で頑張っているのはこちらだけ。
とぅるるるるる…
『あのう… おみくじについてお聞きしたいのですけれども…』
親切に応対してくれた女子同社さんに感謝、お礼を申し上げます。
肝心の気になる『待ち人』の意味は…
”自分の人生の転換となるような出会い”
というのが答えでした。
それは人であったり、また物事であるかもしれない、出来事である場合も。
つまり、異性の可能性もありますが、人ではないという事も。
(何なんだろ? 皆目見当がつかないよ~)
迷える子羊状態になった僕に、前述の「待ち人候補No.1(?) だった」〇〇〇さんのヒトコト。
「おみくじは神様の言葉を読むんですよっ。和歌の方をよく読んでください。」
でもね… 読めば読むほど理解に苦しむのがおみくじに書いてある和歌なんだよね~。
『今年、もう何度もいろいろな神社でおみくじ引いちゃっているんだよね~
どれが本当の運勢なんだろ???』
すると、〇〇〇さん、
「運命は自分で切り開くものよ! ぜーんぶのおみくじのね、いいとこどりすればいいの、うん!!」
なるほどね…
今年引いたおみくじ、実に7枚。いいとこどりだけしたら… こ、こりゃ、大変だ。
大金ゲットしてウハウハ、バリバリ元気な体でいて、なんとハーレム状態で海外旅行しまくり!
ほんと…かなあ…